日が暮れ始めた頃、
「あれは、夢だったのでは?」
と思うほどの美しいビーチを後にして、
海岸沿いのハイウェイを走っていたら、
エンジンがオーバーヒート。
路肩に車を停めた。
日はとっぷり暮れていた。
マラソンをしていた女の子に助けを求める。
「すみません、私の車、何か問題があって・・・」
「うちはあの先の角を曲がったところだから、
父親を連れてくるわ。ここで待っていて。」
大量の水を車に積んで、
お父さんとジェーンさんが戻ってきた。
水を加えてエンジンを冷やそうとするも、
どうやら水がパイプから漏れている様子。
ジェーンさんがレンタカーやさんに電話をかけ、
車の状況を報告してくれる。
お父さん、もう一度水を汲みにいって戻ってくる。
さらに水をかけて、冷やす。
「ここまでエンジンを冷やしたから、
次の街のガソリンスタンドまできっと走れるよ。
そこで、レンタカーやを待つほうが、
ここにいるより安全だろう」
ジェーンさんがもう一度レンタカーやに電話をし、
新しい車の手配を頼み、
次の街のガソリンスタンドで私と落ち合うよう、約束してくれる。
「次の街のSHELLよ、その街にはガソリンスタンドはそのひとつしかないから間違えないわ、そこでレンタカーやを待ってみて、八時になっても現れなかったらもう一度電話してみて」
「本当にありがとう、ホリデーなのに邪魔してごめんなさい」
「大丈夫よ、こんなところでたった一人だったら怖いじゃない!」
握手して別れを告げ、そろそろとSHELLへ車を走らせる。
たどり着く。
待てどもなかなかやってこないレンタカーやさん。
ガソリンスタンドのお手洗いを借りに行く。
「どうしたの?」
「車が壊れちゃって・・・レンタカーやを待っているの」
「ここに座っていたら?」
店内にイスを用意してくれる。
あったかいコーヒーも。
ハワイアンのパトリシアさん。
「カウアイ島は5年ほど前から開発が進んで、本当に変わったわ。本土から人と資本がどどっと押し寄せ、ポイプなんて本当にひどい街になっているわ。治安も悪くなったし・・・あなた一人で旅しているの?気をつけなくちゃだめよ。」
「コーヒーのおかわりいかが?遅いわねー、レンタカーやさんに電話するわ。」
「あと10~15分で着くって、ここから離れちゃだめよ。」
やがて代車を積んだトラックが到着する。
「あー、よかったわー。気をつけてね、これ、私の名刺よ、何か会ったら連絡して。」
「ありがとう」
「ありがとう!」
「HAPPY HOLIDAYS!」


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